Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
石岡 典子; 渡邉 茂樹; 須藤 広行*; 鈴井 伸郎; 松橋 信平; 飯田 靖彦*; 花岡 宏史*; 吉岡 弘樹*; 遠藤 啓吾*
no journal, ,
PET診断に応用可能なポジトロン放出核種の有用性を明らかにすることは大変意義深い。本研究では、Fと同属であるBrに注目し、PET核種としての有用性を明らかにするためのBrの製造法を開発した。直接的製造法と間接的製造法の両側面から評価し、さらに臨床応用に向けた製造法を議論する。Se(p,n)Br(直接法)及びBr(p,4n)Kr(T:14.6hBr(間接法)反応により製造した。ターゲットには、NaBr及びSeO溶液を用いた。20MeVと65MeVの陽子ビームを使用し、それぞれ10分から1時間程度の照射を行った。その結果から、TIARAにおける最大照射条件を算出したところ、直接法で約240MBq,間接法で約360MBqの生成量が期待できる。これらの値は、臨床応用を考えると、十分な値だとは言い切れない。したがって、今後も引き続きターゲット性状の検討によりBrの製造法に関する改良を行っていく。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 山口 恭弘; 原野 英樹*; 松本 哲郎*; 金子 広久
no journal, ,
20MeV以上の中性子エネルギーに関しては、中性子校正場が国内外で整備されていない。そこで、原子力機構・高崎量子応用研究所TIARAの数十MeV領域の高エネルギー準単色中性子照射場を利用して、標準校正場の開発を進めている。校正場を開発するうえで、フルエンスを精度よく絶対測定する必要がある。そこで、シリコン検出器と液体シンチレーション検出器からなる反跳陽子カウンターテレスコープを開発した。TIARAの中性子照射場において照射試験を行い、本検出器の基本性能を評価した。
遠藤 章; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 金子 広久
no journal, ,
高エネルギー加速器施設では、加速された粒子が引き起こす核破砕反応等により、さまざまな種類の二次放射線が発生する。その中でも高エネルギー中性子は遮へい体中の透過力が強いため、加速器運転時の施設内外における主たる被ばく源になる。これに対し、原子力施設において一般的に使用されている放射線モニタは、高エネルギー放射線に対する感度,応答特性が不十分で、線量を適切に測定することができない。本発表では、1GeVまでの幅広いエネルギーの中性子に対する線量を測定できる高性能放射線モニタDARWINについて、TIARA等の加速器施設の実フィールドを利用し行った線量測定特性について報告する。
広田 耕一; Zhao, C.*
no journal, ,
ダイオキシン類分析廃液の分解技術を開発するため、本研究では分析溶媒として通常用いられるエタノール,n-ノナン,トルエン溶媒中OCDDやOCDFなどの線分解挙動や毒性変化について調べた。その結果、例えばOCDDの分解率(絶対濃度換算)は、溶媒和電子の生成G値の大小関係、すなわちエタノールノナントルエン、の順に高くなったことから、分解には溶媒和電子が支配的に関与していることがわかった。また、毒性濃度で評価した分解率は、絶対濃度で評価した分解率に比べ各溶媒ともに大幅に低くなり、溶媒和電子との反応によりダイオキシンが脱塩素反応を起こすことがわかった。さらに、その分解率(毒性換算)はエタノールトルエンノナンの順に高くなり、絶対濃度で算出した分解率(ノナントルエン)と異なる結果となった。そこで、反応した8塩素化ダイオキシンの脱塩素化率を調べた結果、ノナン中で80%、トルエン中で20から30%で、これらの値が160kGyまでほぼ一定であったことなどから、ダイオキシンは、トルエン中では酸化分解が、ノナン中では脱塩素反応がおもに起きていることを明らかにした。
橋本 美絵; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
In/Si(111)-41表面超構造は、擬1次元金属鎖であり、130K以下で金属絶縁体転移を起こす。しかし、低温相の原子配置や相転移のメカニズムについては、まだ解明されていない。そこで最表面に敏感な反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、相転移前後のIn/Si(111)表面からのロッキング曲線を測定し、動力学的回折理論に基づく強度計算との比較から、擬1次元金属鎖の原子変位について研究を行った。一波条件におけるロッキング曲線の結果から、相転移前後におけるIn原子の表面垂直位置を決定した。次に[1-10]方位入射におけるロッキング曲線の測定を行った。X線回折から求められたジグザグ構造を用いて動力学的強度計算を行ったところ、室温の実験結果とよい一致を示した。同様にして、最近理論的に予測されたヘキサゴン構造を用いて計算したところ、低温の実験結果をよく説明できることがわかった。以上の結果から、130Kで見られる金属絶縁体転移は、In原子がジグザグ構造からヘキサゴン構造への原子変位に起因していることがわかった。
前川 雅樹; 河裾 厚男
no journal, ,
陽電子消滅法によりイオン注入法によって作成した埋め込み酸化膜を有する炭化ケイ素(SiC-On-Insulator:SiC-OI)の評価を行った。試料は、標準的な手順で作成した。SiC基板に200keVの酸素イオンを110cm注入して作成した。照射後にはアルゴン中でのアニールを行った。照射直後においては、酸素イオン注入領域においてSパラメータが上昇し、多数の空孔型欠陥が存在することが明らかとなった。照射後の熱アニールによって、SiOの形成が促進されたものの、その構造は不完全であり、また表層SiC領域での照射欠陥は完全に回復することはなかった。このため、照射温度を標準的な温度より高温化し、800Cでのイオン注入を試みた。これにより、注入酸素の反応が活性化しSiO層の形成が促進されたと思われる一方、依然として表層SiC領域には欠陥が残留することがわかった。この結果は、従来600C程度の照射温度で形成可能とされてきたSiC-OI構造作成において、新たな知見を加えるものとなった。
島田 明彦; 広田 耕一
no journal, ,
電子ビーム(EB)を用いたホルマリンガス(HCHOとCHOHを含む空気)分解技術の開発において、本研究では主成分であるHCHOに注目し、1001060ppmvのHCHOを含む10L/minの空気に吸収線量2.580kGyの照射を行った。その結果、単位吸収線量あたりのHCHO濃度減少は、初期濃度100, 280, 480, 1060ppmvのHCHOに対して、それぞれ19, 35, 50, 64ppmv/kGyであった。これらの値は、OHラジカルの生成量10ppmv/kGyに比べ多いことから、OHラジカルによる酸化反応を発端に、連鎖反応が起きていると考えられる。また、分解生成物の定量解析では、初期濃度480ppmvのHCHOに2.5, 5, 10kGy照射した場合の照射前後のHCHO, HCOOH, CO, COの炭素収支を調べた。その結果、それぞれ101, 96, 97%の収支が得られたことから、HCHOの分解生成物はおもにHCOOH, CO, COであることがわかった。
出崎 亮; 後閑 麻代*; 森下 憲雄; 大島 武; 小泉 徳潔; 杉本 誠; 奥野 清
no journal, ,
国際熱核融合実験炉(ITER)の超伝導コイル絶縁材料には、ガラスクロス/ポリイミドフィルム/エポキシ樹脂の積層材料が使用される。この材料は4Kの極低温において10MGyの放射線照射を受けると想定されているため、この材料の耐放射線性を評価することが安全上不可欠である。本研究では、できる限り実環境を模擬する観点から、77Kでの線照射を行い、発生するガスを分析した。また、エポキシ樹脂の成分の違いによるガス発生挙動の違いについて検討した。その結果、エポキシ樹脂から放射線照射によって発生するガスは水素,一酸化炭素,二酸化炭素が主成分であること、シアネートエステルを含むエポキシ樹脂はテトラグリシジル-ジアミノフェニルメタン(TGDDM)を含むエポキシ樹脂と比較して、ガス発生量が約40%少ないことが明らかになった。
出崎 亮; Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
われわれはこれまでにポリカルボシラン(PCS)にポリビニルシラン(PVS)をブレンドしたPCS-PVSポリマーブレンドを出発物質として炭化ケイ素(SiC)成型体である平均繊維径5mのSiC繊維やガス分離膜用SiCコーティング等を開発してきた。ケイ素系ポリマーからSiC成型体を合成するプロセスの1つとして、ポリマーの成型放射線酸化不融化焼成があるが、われわれはこれまでにPCS-PVSポリマーブレンドを出発物質として用いると、PCSのみの場合と比較して約50%の線量で酸化不融化できることを新たに見いだしている。そこで今回は、この放射線酸化不融化機構の解明を目的とし、放射線照射によるPCS-PVSポリマーブレンドのラジカル挙動について調べた。その結果、PVSのブレンドは照射によるラジカル生成挙動には影響を及ぼさないこと,室温空気中での照射においては、PVSのブレンドがラジカルの消滅を促進することがわかった。
中居 久明*; 天間 毅*; 玉田 正男; 沢村 利洋*; 齊藤 貴之*; 本間 哲雄*; 佐藤 康士*
no journal, ,
ホタテ貝の加工に伴い廃棄される中腸腺はタンパク質や脂肪のほかにドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などの有価物を含んでいる。しかし、中腸腺は有害金属であるカドミウムイオン(Cd)を蓄積しているため、産業廃棄物として焼却処分されている。リンゴ酸による溶出処理と放射線グラフト捕集材によるCd除去の組合せにより、30kgの中腸腺が処理可能な中腸腺処理装置を製作した。実証試験により、25mg/kgの中腸腺中のCd濃度は24時間後に1.33mg/kgまで低下した。処理後の中腸腺を肥料,飼料,食品添加物,サプリメント等への有効利用を促進するため、青森県の農林系及び食品系の試験研究機関及び民間企業との産学官連携を開始した。
金澤 進一*; 長澤 尚胤; 八木 敏明*; 玉田 正男
no journal, ,
植物原料由来のポリ乳酸は、耐衝撃性が低いため、実用化の妨げになってきた。橋かけ助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を5質量部添加して500厚のシートを作製し、電子線を90kGy照射して橋かけした後に、120Cの可塑剤液中で2時間浸漬・膨潤させることで、弾性のあるポリ乳酸を作製することができた。ポリ乳酸を橋かけしない場合、可塑剤への浸漬工程で結晶化して白くなり、可塑剤はポリ乳酸へ浸透しない。
玉田 正男; 瀬古 典明; 和田 勇生; 三友 宏志*
no journal, ,
生分解性ポリエステルであるポリヒドロキシブチレート(PHB)に電子線を10kGy照射し、酢酸ビニル(VAc)のエマルション溶液,メタノール又は水を溶媒として、グラフト重合を行った。エマルション溶液の場合、60C,5時間のグラフト反応で、グラフト率は23%に達した。水,エマルション,メタノールの反応系について、モノマーの利用率を比較した結果、VAcが2%の場合、水を溶媒としたとき、0.67%であったが、エマルション系では、1%まで上昇した。メタノール溶媒では、VAcが80%でも0.030%以下で低く、100%のVAcでも、0.046%であった。これらの結果から、酢酸ビニル(VAc)をエマルション化することにより、効率的にグラフト重合が可能であることを見いだした。
深谷 有喜
no journal, ,
物質最表面の原子は、真空側に結合すべき原子がいないため、多数の不対電子が存在する。このため表面原子ではエネルギーを最小にするように自発的に再配列が起こり、結晶内部(バルク)とは異なった超構造が形成される。表面超構造を精度よく調べるためには、バルクからの影響を抑えるなど、高い表面敏感性を持った手法が必要である。そこでわれわれは、陽電子回折を用いて最表面超構造の研究に着手した。陽電子は、電子の反物質であり、プラスの電荷を有する。結晶の表面に浅い角度で入射する場合を考えると、結晶のポテンシャルが障壁として働くため、陽電子はバルクに進入せず、結晶の最表面ですべて反射される。これは全反射と呼ばれる現象であり、表面の構造や物性を調べるうえで非常に有力である。本講演では、表面研究の分野では新たな研究手法である反射高速陽電子回折(RHEPD)を用い、最表面に構築される一次元,二次元といった低次元系の構造と相転移について紹介する。また、新たな試みである陽電子ビームによる非弾性散乱過程の研究についても報告する。
武田 信和; 角舘 聡; 小宅 希育; 中平 昌隆; 柴沼 清; 出崎 亮; 後閑 麻代*; 森下 憲雄; 馬場 信次*; 岡本 弘樹*; et al.
no journal, ,
今年中にも建設が開始される国際核融合実験炉(ITER)では、DT反応の結果生じる中性子が構造材を放射化するため、真空容器内機器の保守交換作業は遠隔機器によって行う必要がある。保守時の線平均線量率は0.5kGy/hであり、例えば3か月の保守作業を行った場合、総吸収線量は1MGyとなる。ITER遠隔機器に用いる部品・材料の開発及び照射試験はこれまでにも実施されてきたが、本研究では歪みゲージ等に用いる計装アンプ・オペアンプについて、使用可能な品種を検討するために照射試験を実施し、その耐放射線性を調査した。1kGy程度の耐放射線性が保証されているオペアンプも含め、現在市販されているアンプ類を対象とし、現在までに0.4MGy近辺まで照射を行った。今回の試験により、耐放射線性オペアンプHS1-5104ARH-Qについては、保証値である1kGyを超えて0.4MGy近辺までの使用が見込めることが明らかとなった。また、通常仕様オペアンプについても、より高頻度の交換を前提とすれば使用可能であることが明らかとなった。今後は、寿命を見極めるためにより高線量までの照射を行うとともに、実機における回路と同様のものに組み込んだ状態での照射試験等を予定している。
小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 金子 広久; 佐波 俊哉*
no journal, ,
中性子が誘起するシングルイベント過渡電流は、中性子の「核反応」によって生じる重イオンの「電離」が原因となって引き起こされると考えられている。今回は、核生成粒子の「電離」による相互作用を模擬するために、中性子がシリコンと核反応することによって生成し得る核種(HeP:最大十数MeV)の中からC(炭素),O(酸素)、及びSi(シリコン)イオンのマイクロビームを利用し、核反応生成粒子が原因となり発生するSETCの電圧依存性を調べた。その結果、電荷量はエネルギーにほぼ比例して増加し、電圧依存性がないことがわかった。一方、電圧が増加するに従い、ピーク電流値が増加し、立下り及び立上り時間が短くなることがわかった。これらの結果は、印加電圧が高くなるに従い空乏層中の電界強度が強くなるため、高速の電荷収集が起こっていることを示している。また、イオンの原子番号が大きくなるに従い、ピーク電流値が減少することがわかった。これは、原子番号が大きくなるに従い、電離された電子・正孔対(イオントラック)の密度が高くなるため、静電遮蔽効果が強く現れていることに起因する。
田口 光正; 木村 敦; 広田 耕一; 倉島 俊; Baldacchino, G.*; 勝村 庸介*
no journal, ,
重イオン照射による特異的な化学反応は、トラックと呼ばれる不均一エネルギー付与領域で起こる不均一化学反応に起因する。トラック内不均一反応を詳細に理解するためには、トラック内の活性種挙動を直接観測することが重要である。そこで、電気的なチョッパーによりパルス化した重イオンを用いた、オンラインで活性種挙動を直接観測する分光システムの開発を行った。超純水にKSCNを溶解し、金属製のセルに封入したものを試料とし、220MeV Cイオンを照射した。パルスジェネレーターからの信号によりサイクロトロン上流のPチョッパーを制御し、パルスイオン照射を行った。重イオンのビーム軸に対し約30度で観測光を導き、セル底面のミラーで反射させることで照射試料を2回通過させた光をフォトダイオードにより検出した。照射をオン/オフした時の光強度変化から、照射によって生成した活性種に由来する吸光度が得られた。光源や検出器のノイズ対策や電気回路の改善を行った結果、10以下の吸光度が測定可能となった。
中川 清子*; 太田 信昭*; 田口 光正
no journal, ,
ヒドロキシマレイミドを2-プロパノールに溶かし脱酸素した後、線あるいは重イオン照射し生成物収量を調べた。線照射でのヒドロキシスクシンイミド(HSI)生成のG値は0.3であった。エネルギーの異なるHe及びCイオンを照射したところ、LETの増加に伴いHSI生成の微分G値が減少することがわかった。一方、溶媒にメタノールを使用した場合には、HSI生成の微分G値は0.02程度で、ほとんどLET依存性を示さなかった。このことから上記2種類のアルコール溶媒中でのヒドロキシマレイミドの分解機構が異なることが推測される。
近藤 孝文*; Yang, J.*; 菅 晃一*; 吉田 陽一*; 柴田 裕実*; 田口 光正; 小嶋 拓治
no journal, ,
試料溶液の上面にモニター光を発するためのCaF(Eu)を設置した、発光観測による初期活性種測定法の開発を行った。重イオンが光源であると同時に照射源であることが原因となっている、分析光強度測定の困難を克服するために、測定する波長領域で吸収も発光もほとんどない塩化メチレンを溶媒として用いた。溶質として100mMピレンを用いた。重イオン特有の効果を解明するために、電子線パルスラジオリシスも行いその結果を比較検討した。220MeV Cイオン照射と30MeV電子線照射で得られた、440nmでの過渡光吸収を比較すると減衰特性に顕著な違いが見られた。電子線照射の場合長寿命成分が現れるのに対し、高速重イオンビームでは指数関数に近い、比較的速い減衰が観測された。重イオン照射では、ピレンカチオンラジカルとカウンターとなる電子も同時に高密度に生成するために再結合反応が優位に起こりやすく、電子線照射の場合と比較して短寿命で消滅すると思われる。また、過渡吸収はピレン濃度に依存して増加した。
伊藤 直樹*; 坂田 栄二*; 瀬古 典明; 玉田 正男; 立石 尚之*; 近木 祐一郎*; 間瀬 淳*
no journal, ,
ミリ波車載レーダやイメージングシステムの高性能化には効率の良い小型平面アンテナの開発が不可欠である。アンテナを形成する基板に低損失の材料を使用することが有効であり、フッ素樹脂(PTFE)基板が用いられている。フッ素基板はほかの材料に比べて誘電率や誘電正接といった電気的な特性が良い反面、親水性が低いため、フッ素基板と導体パターン(一般的に銅)の付着力が低いという問題があった。そこで、フッ素基板の表面改質を行うために、グラフト重合法により親水性基の導入を行い、物性評価を行った。その結果、カルボン酸を付与させた試料に対してスパッタリング法により銅箔の付着を行ったのち、90度剥離試験法を用いて剥離強度の測定を行ったところ、PTFEにおいて、0.4kgf/cm(未処理品)に対して、約1.0kgf/cm(放射線グラフト重合処理品)となり、銅とPTFEの付着力を改善することができた。
Fatmuanis, B.*; 瀬古 典明; 玉田 正男
no journal, ,
放射線グラフト重合によりリン酸基を導入した吸着材は、水中に溶存するウランやスカンジウムなどの金属に対して良好な吸着性能を示す。しかし、これまでのリン酸基を有するモノマーを用いたグラフト重合では、吸着材に必要な100%程度のグラフト率を得るために6時間の反応時間を要し、かつホモポリマーが生成してしまうため、洗浄工程に長時間を要し、工業化の見地から問題があった。そこで、基材に極細繊維で構成される不織布を用いることで、反応速度の向上を図った。繊維径が2ミクロンの不織布を用いたことで、6時間要していた反応時間を1時間に短縮することが可能であり、反応時のホモポリマーも抑えることができた。